僕のサブPCの一つ、NECのLaavieYはWindowsRTを搭載したレアなPCだ。Microsoft Surface、Surface2以外でWindows RTを搭載したPCは数少ないので、世界的に見ても希少なPCといえる。
以前「【悲報!】WindowsRTはWindows10アップグレードの対象外に!」という記事を書いた通り、Windows RT 8.1はWindows 10 への無償アップグレード対象から外されている。この時は無償アップグレード対象から外されたニュースのインパクトが強く、その話題にかき消されてしまった感じではあったが、このニュースソースの中で、Windows10の機能の一部をWindows RTにも盛り込むことも発表されていた。
僕はMicrosoftのリップサービスだろうと勘ぐっていたし、実際に盛り込まれたらラッキーだな、程度に考えていて、すっかりそのリリースを忘れていた。
広告
目次
9月15日よりUpdate3は配信開始されていた
ニュースのチェックが漏れていて、なんと9月17日にこんなニュースが発表されていた。「MS、「Windows RT 8.1 Update 3」をリリース–新スタートメニューが利用可能に」
この記事によると、
Microsoftは米国時間9月15日、「Windows RT 8.1 Update 3」(KB3033055)をひっそりと公開した。このオプションの更新プログラムを適用すると一部の設定が変更され、新しいスタートメニュー(「Windows 10」風のメニューだが、完全に同じではない)が、スタートボタンから表示できるようになるのだ。
ということで、以前リリースした際の約束を果たした形になる。
Windows Updateを行ってみる
最近はすっかり出番の無くなったLavie Yを引っ張り出し、Windows Updateを行ってみた。最後にUpdateしたのが8月24日だったのだが、久しぶりにUpdateを掛けると更新可能なプログラムが40個以上もUpdateが溜まっていた。
Updateを行うこと約1時間。端末の処理能力も遅いし、OSのUpdateなのでこれぐらいは仕方ないと思いつつも、ChromeOSの高速Updateと比較するとちょっと不満を感じる遅さ。
ようやく立ち上がってくるとアカウント認証の画面が従来の四角から円形に変わっていることに気づく。Windows10っぽい。期待が高まってきた。
スタートメニューの復活には設定が必要
しかし立ち上がってきた画面は従来のWindows8.1のスタートメニュー。調べてみると、どうやらWindows10風のスタートメニューを表示させるには設定が必要の様だ。
設定方法はいたって簡単で、タスクバーの何もない所を右クリックし、プロパティを表示させる。
スタートメニュータブの「スタート画面ではなくスタートメニューを使用する」にチェックを入れる。
適用するには一旦アカウントのログオフが必要なので、一旦ログオフして、ログインを行う。
復活したスタートメニュー
左下のWindowsロゴをクリックするとこのようにWindows10で見慣れたスタートメニューが復活した。
Windows RTにWindows10がキター!この時点では興奮がMaxに高まっていたが、この後、操作するうちに興ざめしていくことになる。
まずスタートメニューそのものについてはWindows10で見慣れていたこともあり、まあまあ使い易い。LavieYはフルサイズのキーボードがついているラップトップなので、普段使うときはこのスタートメニューは使い易い。
タブレットモードが無い
Windows10ではデスクトップモードとタブレットモードを切り替える設定があったが、Windows RT 8.1 Update3ではどこを探しても見つからない。PC設定の画面はこれまでと何も変わっていないようだ。
そこでLavie Yの画面を反転させ、タブレットモードで利用してみたら、タブレットモードでもWindows10風のスタートメニューが出てくるだけ。Surface 3+Windows10ではキーボードを取り外したり、背面に回しただけで自動的にタブレットモードに切り替わってくれるが、Windows RT 8.1 Update3ではそのような気の利いた機能は無いようだ。
タブレットでタッチ操作しか使えない状態なのに、小さなチマチマしたスタートメニューを操作しなくてはならないということだ。
それではと、スタート画面を表示させるように戻そうとするには、先に書いたとおりタスクバーのプロパティから設定を行わわなくてはならず、設定を反映させる為にログオフしなければならないといけなく、超面倒くさい。これでは何のためのスタートメニューかわからない。
Windowsストアアプリのウィンドウ化にも未対応
Windows10で使い勝手の良さを感じたのは、従来は全画面表示が前提だったWindowsストアアプリがウィンドウ化できるようになり、デスクトップにウィンドウを表示させながら他の作業を行うといった使い方が出来るようになったことだ。今回のWindows RT 8.1 Update3でもこの機能が搭載されているかどうか気になっていたが、結論から言うと未対応だった。
Windowsストアアプリはこれまで通り全画面表示しかできない。
Windows10で搭載されたその他の新機能は?
だんだん不安になってきたので、その他のWindows10で搭載された新機能がWindows RT Update3で使えるかどうか調べてみた結果は以下の通り
- タスクビュー 未対応
- タスクバー上の検索窓 未対応
- Microsoft edge 未対応
- マルチデスクトップ 未対応
- Cortana 未対応
- 3本指ジェスチャー 未対応(これはハードに依存するので仕方ないか)
ということで、Windows10の一部の機能を盛り込むといったものの、実際に盛り込まれたのは中途半端なスタートメニューとユーザアカウントの表示だけ。
Windows RT 8.1 Update3はやっつけ感満載でダメダメだった。
正直なところ、大して期待していなかったし、Microsoftのひっそりとしたリリースからも力を入れていないことがわかっていたけど、それにしても何なんだこの中途半端なUpdate。
「スタートメニューをWindows10風にしたからこれで約束は果たしたぜ」的な、超やっつけ感満点のUpdate。Update2まではMSのユーザーインターフェースの思想を感じさせて、考えられたUpdateと感じたものだが、今回のUpdate3は使い勝手を無視した「とりあえずやりました」的な印象を拭えないものに。
僕は早々にスタートメニューの表示をやめ、従来型のスタート画面に戻した。Windows RT 8.1のGUIはスタート画面前提に作られているので、やっぱりこっちの方が使い易い。Windows8シリーズの中身を変えずスタートメニューだけWindows10風にしても使いづらいだけだ。
Windows10のリリースでは素晴らしい仕事をしたと感心してたけど、今回のUpdateはダメダメでした。もうちょっと利用者の使い勝手をきちんと考えて欲しいものだ。