JDLA G検定 AI 勉強法

AI初心者のためのディープラーニングG検定勉強方法

2019年11月9日に受験したJDLA(日本ディープラーニング協会)主催のJDLA DeepLearning for GENERAL 2019#3(長い!)の合格発表があり、無事に合格していました。合格率が70%と高いので、比較的合格しやすい試験だとは思いますが、久しぶりの試験、久しぶりの合格ということで喜びもひとしおでした。ということで、久しぶりに試験勉強について書くことにします。




目次

JDLA DeepLearning for GENERALとはどんな試験?

JDLAは日本のAI研究で有名な松尾豊東京大学教授が理事長の団体で、ディープラーニングの技術で日本の産業競争力を高めることを目的とした団体です。そのJDLAがディープラーニングに関する人材育成を目的として行われるのがDeepleaning for GENERAL(G検定)とfor ENGINEER(E検定)です。

今回僕が受験したG検定は「ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材」向けの試験で、E検定は「ディープラーニングを実装する人材」向けの試験です。

バックグラウンドについて

僕は理系人間ですが、あまり数学は得意ではありません。統計の知識もほとんどなく、微分積分もすっかり忘れている状態で勉強を開始。IT関連の仕事をしていますが、IT企画やセキュリティがメイン領域なので、AIは仕事でも全く接点はありません。そんなバックグラウンドで受験しました。

受験の目的

直接のきっかけは、AIビジネス研究会という中小企業診断士の研究会に入り、AI用語についていくために、基本ぐらいは知っておいた方がいいと思うようになったことです。もう一つはAIというのは何だか幻想的な近未来の姿を想起させる言葉ですが、その裏で動いているディープラーニングという技術がどんなものかに単純に興味があったからです。

また、今後AIは様々な場面で接する機会が増えると思うので、細かい技術はわからなくても、ビジネスにどのような影響を与えるのか、導入の際にどういった点に気をつけなくてはならないか、などの基本的な考え方を知っておく必要があるのではないか、という思いもありました。

そんな訳で、G検定は僕が欲している知識を満たすにはちょうどよい試験だったので、受験することにしました。

使用したテキスト

今回利用したテキストはJDLAの松尾理事長が著者であるAIの超有名書籍であるこちら
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
AIとは何?ディープラーニングって何?って人がまず読むべき本です。こちらを読んだあと、次の公式テキストに入ると良いでしょう。

そして公式テキストのこちら
深層学習教科書ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 公式テキスト
このテキストだけで合格はちょっと厳しいと感じますが、基本的なことが網羅的に書かれているので、まずはここから着手すると良いと思います。

公式の書籍ではありませんが、数少ない貴重な問題集
徹底攻略 ディープラーニングG検定 ジェネラリスト問題集

数式を使わないでわかりやすく技術説明をしてくれたこちらの書籍は試験勉強とは少し離れますが、知的好奇心を満たしてくれた良書でした。
エンジニアなら知っておきたいAIのキホン 機械学習・統計学・アルゴリズムをやさしく解説

勉強スケジュール

勉強を始めたのが6月頃。7月の上旬に試験があることは知っていましたが、1ヶ月で間に合うものなのかどうかも検討も付かなかったので、当初から11月の試験を目標に、じっくりと取り組むことにしました。

全体的には次のように知識習得期間と試験対策期間と大きく2つの期間に分けてスケジュールを組みました。

6月~8月 基礎知識習得期間
9月~11月 試験対策期間

実際は試験対策期間も日々知識習得をしていましたが、なにぶん基礎知識が全くないので、基礎学習期間を3ヶ月ほど設けて、テキストや関連書籍を読んで基礎知識をつけることにしました。

IT系の試験では実務である程度の基礎知識があるので、いきなり試験対策から入ることが多かったのですが、今回は知識取得から入ったのが新鮮でした。

G検定 勉強方法 AI ディープラーニング

勉強法

まず基礎知識習得期間の勉強方法についてです。

基礎知識習得期間にはJDLA推薦図書の「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」を一度読み、その後公式テキストを読みました。そして公式テキストだけではよくわからなかった部分を補うために、「エンジニアなら知っておきたいAIのキホン 機械学習・統計学・アルゴリズムをやさしく解説」を読みました。この本と公式テキストを行ったり来たりしながら、基礎的な知識を学んでいきました。また、わからない用語はGoogleで検索したり、YouTube、SlidShareなどで調べたりして、わかりやすく解説しているものを探しては見聞きして、というのを繰り返しました。

最初の1ヶ月ぐらいはわからない用語ばかりでかなり苦痛でしたが、辛抱強く続けていたら、徐々に知っている言葉が増えてきてなんとなくわかるようになってきて、8月の終わりぐらいには公式テキストの章末問題ぐらいは何とか解けるようになってきました。

あとはGoogleアラートでAI、ディープラーニングなどのキーワードを登録し、毎日ニュースが届くようにしていました。毎日大量のニュースが届きますので、その中で気になったニュースなどを読むようにしていました。これでAIのトレンドなどが少し掴めるようになりました。

ちなみに学習時間はこの時期はあまりガッツリやっていなくて、通勤時間を利用して公式テキストや参考書を読んで、わからない用語をEvernoteに溜め込んで、時間があるときにそれらを調べる程度なので、平均すると一日辺り30分程度だったと思います。これを60日ぐらい続けたので約30時間ぐらいでしょうか。

次に試験対策期間です。

9月から公式テキストの章末問題、問題集をひたすらグルグル繰り返すだけです。特に問題集は重要で、全く同じ問題もいくつか本試験でも出たので、この問題集に載っている問題はすべて回答できるぐらい完璧にしておく必要があります。

問題集を解く上で注意したのは、間違えた問題の間違えたポイントをEvernoteにメモして、間違いやすいポイントを明確にするようにしました。これは何度も同じ問題で間違えることが無いようにするためです。これをやると理解があやふやな論点がEvernoteに蓄積されるので、次に問題を解く際に一度見直しておくと、間違いがグッと減ります。

9月から試験までにこの繰り返しを5回やりました。3回目ぐらいからほとんど間違えなくなるので、もう完璧だ!と思い上がってモチベーション維持が難しくなるのですが、知識を脳に沈着するための訓練だ、と自分に言い聞かせて取り組みました。

そして試験の2週間ほど前にこんな試験があることを知りました。
Study-AI G検定模擬テスト

そこで本試験と同じ時間で解いてみました。そしたら知らない問題が沢山でてきてパニクってしまいました。問題集ではほとんど間違えないレベルまで達していたにも関わらずです。それでも採点してみると6割ほどは解けていました。G検定は合格基準が公開されていませんが、一般的な資格試験だと6~7割が合格基準となっているものが多いので、もう一つ上に行かないと合格は厳しいかもと気分が引き締まりました。

この模擬テスト、本番と同じ時間で受験して良かったことがもう一つ。それは昼飯直後の受験で、よく知らないキーワードが次々と出てくると、予想以上に眠くなるってことに気づけたこと。この反省を活かして本番はMONSTERを持ち込んで受験しました(笑)。

試験直前期はこのStudy-AIの模擬テストで間違えたところの復習に注力していましたが、これまでやっていなかった範囲のことが多く、あまり無理して詰め込むのも時間的に厳しいと感じたので、あまりやりすぎない様にしていました。

試験対策期間はきっちりと時間は図っていないので、雑な計算ですが、おおよそ60時間ぐらいは勉強に当てたと思います。




試験当日

G検定はオンライン試験なので、ネットが繋がる環境であればどこでも受験可能です。私は自宅に自分の部屋が無いので、会社の会議室で受験しました。会社の会議室であればネット環境も充実していますので。

そして、この試験は、テキストを見ても電卓を使っても良いので、色々と持ち込みました。

私が持ち込んだのは、受験用のPC、検索用のPC、学習のメモが入っているEvernoteを見るためのタブレット、電卓、わからなかった問題をメモるメモ帳、眠気覚ましのMONSTER、です。

試験の感想としては、問題集などで頭に入っていた基礎知識を問う系の問題はほぼ完璧に解けたと思うものの、AI白書や政府のAI戦略をまったく読んでいなかったので、最近の情勢に関する問題は全くわからず、Googleで検索しまくりながら、その場しのぎの回答を繰り返しました。なので、試験を受けたあとの感想はGoogleで検索して解いた問題の正答率次第かな、というところでした。

時間配分的には二時間でギリギリ全問回答した感じでしたが、わかる問題は速攻で解けるので、わからない問題の検索に意外と時間は使えたかな、という感じでした。

合格発表

合格は受験した翌々週の月曜日の朝10時にメールで届きました。多分受かっているだろうな、とは思っていましたが、やはりきちんと連絡が来ると嬉しいです。

JDLA G検定 合格通知メール

合格通知メール

ゼロからの学習だったのでそれなりに大変だったのですが、今年はあまりあちこち手を出さずにG検定に絞っていたので、集中できたのが良かったのかもです。

とにかくここ数ヶ月、頭の片隅でずっしりと重しのようになっていたG検定に無事に合格できたことで、この重しが外れて、頭も身体もすっと軽くなりました。やっぱり合格の味は最高です。

これから

とはいえ、G検定受かったからと言ってディープラーニングわかります!と大手を振って言えるわけはなく、まだわからないことも山のようにあり、変化も早い領域なので、まだスタートラインに立ったばかり、という気持ちです。

E検定まで行くとちょっと、片手間に勉強するだけでは時間もお金も足りないので、当面はこれまでやっていたようなGoogleアラートで入ってくる情報をキャッチアップしていくこと、AI、ディープラーニングに関する書籍などで知識を積み重ねていきたいところです。

ディープラーニングは世の中を変える技術的なブレークスルーだと感じているので、これからもしっかりとキャッチアップしていきたいですね。