Chrome OSとAndroid統合で考える、OS統合の未来

今年の9月にPixel Cが発表された時にChromeBookブランドのPixelの名称がAndroidタブレットに使われたことで、Googleは何を考えているんだろう?と疑問に思ったけど、その答えがこんな形になろうとは思ってもみなかった。

GoogleがChrome OSをAndroidに統合!PCでAndroidが動作するように!?

この記事によると、

GoogleはAndroidにChrome OSを統合する。Androidはこれまでは主にスマートフォンやタブレット端末で利用されており、Chrome OSはウェブブラウザーをベースとしたウェブ主導のPC向けのOSだ。Chrome OSを搭載したノートPCは日本国内を含め、Dell、AcerなどOEM数社から提供されており、教育用途などで使われている。Androidはよく知られているようにスマートフォン市場で8割以上のシェアを占めるが、Chrome OSのシェアは3%以下という。

出展:http://ascii.jp/elem/000/001/072/1072127/

とのこと。シェアの大きなスマートデバイス市場での強みを活かしてPC市場も取り込もうという戦略のようだ。

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Chrome OS統合の予兆はあった

今年の3月頃、Chrome OSにAndroid 5.0 Lolipopから採用を始めたマテリアルデザインが採用されたり、4月にはAndroidアプリを動作させるARC Welderの提供が開始されたりしてChrome OSの開発現場で何らかの変化が起きていることは感じていた。

そして極めつけが9月に発表されたPixel C。Androidタブレットとハードキーボードを合体させたMicrosoftのSurfaceのようなデバイスだけど、ChromeBookのブランドであるPixelという名称をハードキーボード付きのAndroidタブレットに採用したことで、いよいよ統合するのかもと予測するには十分な事実が揃いすぎていた。

さらにはGoogleの新CEOのピチャイ氏はChromeとAndroidの両方のプロダクトの統括をしていたこともあり、Google内部の組織体制上も統合に向けた準備が進んでいたと考えられる。

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Google Pixel C (OS:Android)

Chrome OSをAndroidに統合するメリットとは?

先ほどのAsciiの記事の中にも書いてある通り、2種類のOSを開発、メンテナンスする作業の合理化が図れること、Androidアプリのエコシステムを拡大する、この2つが統合の大きなメリットであろう。

全世界で圧倒的に多いAndroidユーザーが使い慣れたアプリ、環境をPCでも提供することでPCのシェアを拡大しようと考えたのだ。

Chrome OSと統合された新しいAndroidの姿とは

Chrome OSと統合された新しいAndroidはどのような姿になるかと想像してみた。

一つ目に思いつくのがGUIの変化だ。Windows10のcontinuum(注)に似た機能が搭載されるはずで、ハードキーボードがついていないスマートデバイスと、キーボードが付いているPCデバイスではインプットに関するGUIを変えてくるものと思われる。

注)continuumとはWindows10から搭載された目玉機能の一つで、continuumに対応したハードウェアであればディスプレイのサイズに応じてタブレットモード、デスクトップモードを自動で切り替える機能である。

2つめに考えられるのがChrome OSの真髄とも呼べる、設定をGoogleアカウントにひも付けてクラウド上に保存する機能である。Androidは設定の多くをデバイス内で行っているが、新しいAndroidはクラウド上に設定を持つようになり、端末を買い換えてもGoogleアカウントでログインするだけで設定が自動で復元される機能が付加されると予想できる。

3つめに考えられるのが、これもChrome OSの機能の一つでもあるストレージをGoogleDriveに統合することである。これまでのAndroidではデータを端末内部のストレージかSDカードに保存していたが、新しいAndroidは端末に保持するデータは最小限になり、多くはGoogle Driveに保存する形になるのではないか。

このように統合後のAndroidにはPCならではのGUI、そしてChrome OSが持っていた優れた機能が付加されたものになるのではないかと考えられる。

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Google Pixel 2015(OS:Chrome OS) photo by the verge

他社の動向はどうなるだろう

MicrosoftはWindows8の頃から一足先にモバイルOSとデスクトップOSの統合を進めており、Windows10でついにひとつのOSに統合され、様々なデバイスを一つのOSで使えるようになっている。

Microsoftは出遅れてシェアが取れなかったスマートデバイスを、シェアの大きいPCサイドに取り込もうとしており、Googleとは真逆のアプローチをとりながらも、それぞれ強みを活かそうとする戦略は一緒なのが面白いところである。

一方でAppleはというとiOSとMacOSが統合されるとの噂は以前からあることはあるが、未だに別のOSとして存在しているし、iPad Proのようにタブレットでもなく、PCでも無いような境界線を曖昧にするようなデバイスも発表しており、今後の動向がどうなるかは未だに見えてこない。

もしかしたらGoogleと同じように開発の合理化という視点では統合したいと考えている可能性もあるが、ドル箱のiPhoneがあるがゆえに大胆な変化がしづらいイノベーションのジレンマに陥っているのかもしれない。

最後に

正直なところChromeBookerの僕としては、この優れたOS、デバイスが消滅するというのはとても心苦しい事態ではあるけれど、Windows、Macの2強の分厚い壁を破れない以上、変化が必要とのGoogleの判断に従うしかないのかな、と諦めも感じている。

Chrome OSと統合する新生Androidは2017年頃に登場するとの噂が早くも出ているけど、これまでにないエクスペリエンスを持ち込んでくれるものと期待したい。