驚くべきニュースが発表されました。Chromebookの出荷台数が遂にあのAppleのMacを上回ったとのこと。
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「Chromebook」、「Mac」を米国出荷数で初めて上回る–2016年第1四半期 – CNET Japan
とはいっても日本ではなく、アメリカでのお話。日本では恐らくシェア1%にも満たないのではないでしょうか。
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Chromebookはなぜ、教育機関で人気があるのか
アメリカでは学校で新規導入されるパソコンのうち50%がChromebookと言われています。このようにChromebookは特に教育機関においてその人気は圧倒的ですが、なぜこんなに人気があるのでしょうか?
- ハードウェアが安価である
- セキュリティ対策が十分に取られている(かつその維持コストが安い)
- IDの管理、端末設定などの統制が取りやすい
- 操作がシンプルでリテラシーが低い人でも操作しやすい
などが挙げられます。
WindowsやMacと比較して圧倒的に有利な点が安価であることです。最近では安いWindowsパソコンも増えていますが、企業で管理する企業内ネットワークActiveDirectoryを利用するにはPro以上のエディションが必要など、企業内利用に対してコスト面のハードルがWindowsはまだまだ高いです。
ChromebookはGoogleアカウントを管理するだけで良いですし、エディションの違いによるコスト差などは生じません。
もう一つは操作がシンプルなことです。教育現場ではリテラシー(習熟度)の違いが出やすいので、出来る限り使いやすいものが好まれます。Chromebookは基本ブラウザのみ、アイコンをクリックすれば操作できるのでとてもシンプルです。
この辺りがChromebookが教育機関で人気がある要因と言えます。
教育機関で人気があるということはどういう結果がもたらされるのか
ところで、多くの人の初めて買ったパソコンはWindowsではないでしょうか。Windowsはこれまでにも方向性がブレたり、バグが多かったりと決して優れたOSとは言えない部分もありながらも、多くの人がWindowsを使い続けています。
一度使い慣れたOSからは他のOSに乗り換えるのには大きなコスト(費用と慣れるまでの時間等)がかかります。他のOSへの切り替えを行わずに慣れ親しんだWindowsを使い続ける理由の一つがこの乗り換えコストと言えます。
今現在では、K-12(幼稚園から高校生まで)向けデバイスと認識されていますが、Googleはそのもっと先を見据えているのではと思います。
つまり、GoogleはK-12の若い人たちにChromebookに慣れ親しんでもらうことで、他のOSへ移動するコストを大きくし、障壁を作ろうとしているのではないでしょうか。
Chromebookに慣れ親しんだ世代が社会人になり、会社に入ったり、起業をしようとするときに、
”今更WindowsやMacなんて使ってられないよ、こんなに高性能で安い端末が他にあるかい?”
なんて言い出すことを目論んでいるのではと考えています。
Chromebookで育った世代が20代、30代に育った時にデスクトップPCのOSシェアトップを取るのがGoogleの長期的な戦略ではないかな、と。
Chromebookは決して消えゆくOSではない
先日のGoogle PlayをChromebookで動作できるようになる発表もありましたが、GoogleはChromebookを長い目でじっくりと育てているので、Androidと統合されて消えゆくものではなく、デスクトップOSの覇権を奪うべく、タイミングを虎視眈々と狙っている野心的なプロダクトです。
今の段階ではまだアーリーアダプター向けの製品と思わていますが、今後はより一般的なパソコンとして認識される日がそう遠くない将来にやってくるのではないかと思います。