楽天モバイルは昨年10月にMVNO事業に参入したMVNO事業者としては新参者ですが、楽天の知名度と背景に抱える既存顧客のボリュームが大きいので他のMVNO事業者は戦々恐々としているのではないのではないでしょうか。先週はソニーのXperiaの投入を発表するなど今後のビジネスプランについての発表もあったので、今回は楽天モバイルについて書きます。
目次
ところでMVNOってなんだ?
僕も当たり前の様にMVNOって使ってしまいますが、もっと分かりやすい表現は無いですかね?IT系の雑誌などではMVNOって言葉が普通に使われている様な気がするのですが、一般の人にはまだまだ馴染みの薄い言葉なのでは?そこで楽天モバイルの話をする前に簡単にMVNOについて説明しておきます。
MVNOとは通信キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の回線を利用して通信サービスを提供する企業の事です。利用者から通信料を徴収して、通信キャリアに回線の利用料を支払うビジネスモデルです。自分達で通信インフラを構築する手間を掛ける必要がないので、参入障壁が低いというのが特徴で、最近は様々な業種からの参入が始まっています。一番有名なのはイオンスマホでしょうか。通信とかデジタルとかと全く縁の無さそうなイオンがスマホ事業に参入した当初は大きな話題になりました。
楽天モバイルの特徴
このようにMVNOは他業種からの参入が比較的しやすいという業界構造もあり、ネットショップ大手の楽天も昨年、MVNO事業に本格的に参入してきました。
楽天モバイルの特徴はSIMだけでなくSIMフリー端末とSIMカードをセットに販売することで通常のキャリアで買うのと同じように端末を買えることと、楽天で買い物時に使えるスーパーポイントを端末購入時に還元されるなど楽天サービスとの親和性が高いことが挙げられます。さらに先日の発表では楽天モバイルの利用額に応じて楽天スーパーポイントが付与され、更に溜まったポイントで支払いも出来るとのこと。
楽天モバイル取り扱い端末
楽天モバイルでは端末とSIMをセットで売るプランが主流みたいで、先日発表した端末も含めると現在は4種類の端末を扱っています。
- ASUS ZenFone5
- 富士通 ARROWS M01
- シャープ AQUOS SH-M01
- Hauwei Asend Mate7
ミドルレンジのSIMフリー端末を用意しています。更に6月にはソニーのXperiaも投入されるそうです。恐らくZシリーズでは無く先日海外で発表されたE4ではないかと予想しています。日本国内ではソニーブランドはまだまだ根強いですし、Xperiaのブランドイメージも高いので値段次第の所もありますが、人気が出るのでは無いかと思っています。
image by sonymobile.com
楽天モバイル成功のポイント
Xperiaの投入は良いニュースですが、イオンもSo-netもXperia投入を発表しているので恐らく同機種になると思われます。そもそもSIMフリー端末なのでどのSIMでも使えることを考えると端末で差別化するのは難しいでしょう。
楽天に勝算があるとしたら、1億人に迫る楽天の会員(9,775万人)に直接アプローチ出来るということでしょうか。会員であれば楽天のスーパーポイントを使っている人も多いでしょうし、ブランドの認知度も高いと思います。あまり詳しくない人が他のMVNO事業者を見た時に、例えば日本通信と楽天モバイルだったら楽天モバイルを選ぶ人の方が多いのではと思うのです。
これまでMVNOを選択する人は一部のマニアなどITリテラシーの高い層が多かったと思いますが、これからは安いということで、ITリテラシーが高く無い層もMVNO事業者を選択する時代になると思いますが、そんな時に楽天の知名度は相当に効いてくるでしょう。
まとめると、楽天モバイルがMVNO事業で成功するにはいかに既存会員を取り込めるか、がポイントになりそうですね。
MVNO事業者が多数参入して価格競争になれば体力の無い事業者は淘汰されてしまいますが、消費者に取っては安いサービスが利用でき、様々な選択肢が増えるというメリットがあるので望ましいことだと思います。MVNOは先日のフリービットとCCCの提携など新しい動きも出てきているのでこれからも業界動向を注視していきたいですね。