以前から興味があった地方での起業について特集が組まれた雑誌があったので思わず手に取ってしまいました。
この雑誌の中では地方で起業されている方のインタビューなどが紹介されており興味深く読ませてもらいました。そんな中で千葉でピーナッツバターの製造・販売を行っている「HAPPY NUTS DAY」と茨城の山奥でパンの製造・販売を手がけている「Sunny Side Kitchen」の2つの記事がとても興味深かったのでご紹介します。
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目次
HAPPY NUTS DAY
まず最初にご紹介するのは「HAPPY NUTS DAY」。この会社の主力商品であるピーナッツバータは営業活動をほとんど行っていないにも関わらず、全国各地で販売されたびたび完売になるそうです。記事の中ではオーバーオールを着た若者がスケボーをしているユルイ写真が使われていますが、書かれているコメントは実にしっかりとしています。
- 過疎化していく田舎でのひとつの成功例を見せることで、地方でチャレンジする人を増やしたかった。
- 付加価値でモノを売るというのが好きではないんです。商品自体の強さがなによりも大事だし、誰にでも作れるようなものではダメ。
- 新規開拓のための営業活動をほとんど行わないのは今現在ぼくらのことを好きだと言ってくれる人に対して全力でやり続ける結果として、 クチコミで広がっていけばいいなと思っているからなんです
などなど。新規開拓はしていないといいつつ、WEBサイトはしっかりとデザインされているし、Facebookでの情報発信も頻繁に行っており、興味をもってやってくるお客さんに対してはウェルカムな雰囲気などがとても良い印象です。
HP:http://happynutsday.com/
Facebook:https://www.facebook.com/haveahappynutsday
Sunny Side Kitchen
次にご紹介するのが、茨城の山中にあるパン屋さん&カフェ、「Sunny Side Kitchen」。こちらは果実酵母を活かした手作りパン屋さん。店舗や小麦粉、果物など地元の素材を活用し、顔が見える仕事にこだわった結果、お店の良さをわかってくれるお客さんがしっかりと付いてくれるそうです。
お客さんとのコミュニケーションを重視するため、どうしても接客に時間がかかってしまうそうですが、一見客がイライラしていると常連のお客さんが「ここはこういうお店なの」とたしなめてくれるそうです。これって凄い話です。ちなみにHPはとってもユルい感じです。必要最低限の情報だけが記載されています。
HP:http://www.sunny-side2010.com/
Facebook:https://www.facebook.com/2010.sunny
この2社に見るスモールビジネスマーケティング
この2社、扱っているものは全く異なるし、売り方も異なるのですが、共通しているところがとっても多いなぁと記事を読んでみて感じました。
僕が感じた共通点3つあります。
- 商品に対する徹底したこだわり
- 必要としてくれる人にベストを尽くす姿勢
- 地域との関係を重視
それぞれについてもう少し詳しく説明していきますね。
商品に対する徹底したこだわり
HAPPY NUTS DAYは「誰にでも作れるようなものはダメ」と、地元の焙煎職人さんと何度も微調整を図りながら味を追求しているそうです。
Sunny Side Kitchenはとにかく酵母にこだわり、果物や野菜から酵母を起こしている。最終形のパンから考えるのではなく作った酵母に合ったパンを作っていくそうです。
必要としてくれる人にベストを尽くす姿勢
HAPPY NUTS DAYは「今現在ぼくらのことを好きだと言ってくれる人に対して全力でやり続ける」と話すとおり、今ある取引先との関係を大事にしたり、instagramでハッシュタグを付けてくれた人に対して一人一人コメントを返すことなど、地道な活動を行っています。
Sunny Side Kitchenは顔が見える仕事をしたいというオーナーの想いが強く反映されています。山の中にお店を構えたのも一人一人のお客さんの顔が見えるようにと考えた結果ですし、パンを焼くだけでなく店頭で接客を行うのもお客さんの顔を見て、一人一人から感想や要望を聞きたいから、と徹底しています。
地域との関係を重視
HAPPY NUTS DAYは地元九十九里の落花生をどう活かすかを考えているし、地元の焙煎職人さんと協業したり、田舎でチャレンジする人を増やしたいう想いなど、地域愛がひしひしと感じられます。
Sunny Side Kitchenもパンの素材となる酵母を地元の果物や野菜から作っているし、小麦粉も地元のもの。パンの原料を地元のもので揃えるだけでなく、店舗も元にあった古い店舗を引継ぎ、外観も内装もそのままで使っていて、地元に馴染んだお店をそのまま活用しています。
まとめ
このように地域にしっかりと軸足を定めて、他では出来ないこだわわりの商品を作り、わかってくれる人を大切にする、というのが地方発ローカルベンチャーのスモールビジネスマーケティングなんだなと感じました。