今年大活躍した軽自動車と、その未来

今年は軽自動車にとって特別な一年だったと思います。まずRJCカー・オブ・ザ・イヤーにスズキのハスラーが選ばれました。RJCのカー・オブ・ザ・イヤーはこれまで軽自動車が3台も選ばれたこともあり、驚きでは無かったものの、他にも有力な候補車がある中で選ばれたのは特筆すべき事だと思います。さらに、今年はRJC特別賞は「軽自動車」が受賞しました。2014年の自動車の販売台数を見ても、普通車が266万台に対し、軽自動車は168万台。新車5台のうち2台が軽自動車という状況で、とにかく売れまくっています。

そこで今回は、軽自動車がなぜ売れているのかを分析した後、軽自動車の将来について考察してみたいと思います。

軽自動車ななぜ売れているのか。

実は僕も軽自動車オーナーです。軽自動車の前はミニバンに乗っていましたが、大きすぎて扱い辛く、その反動で軽自動車に乗り換えたわけですが、結局何の不満もなくもう6年乗っています。恐らく今の車が壊れても次も軽自動車になるでしょう。チャイルドシート2つ載せていたこともあるし、ベビーカーを積んだりもしたし、日帰りで神奈川から長野まで走ることもこなせてしまいます。そんな僕が考える軽自動車が売れている理由は大きく3つあると思います。

1)扱いやすいサイズ

全長3.4m、全幅1.48mという制限がある軽自動車は、そのコンパクトなサイズが車の扱いやすさに繋がっています。最近では小型車でも1.7mを超える全幅の車が多くなってきていますが、まだ狭い道の多い日本の道路事情ではこの軽自動車のサイズがとても扱いやすいです。この扱いやすさが軽自動車の人気の大きな理由ではないかと思います。

2)必要十分な動力性能、スペース

次に660ccというエンジンの排気量に制限があり、動力性能も限界がありますが、最近ではターボや副変速機付きCVTなどの工夫がなされ、必要十分な動力性能が確保されています。僕の軽自動車はちょっと古いので4速ATですが、ターボ付きエンジンなので高速道路で100キロ巡航は全く苦になりません。

そしてスペース面でもタントやN-BOXなどトールタイプの軽自動車は、足の置き場に困るぐらい広い室内を実現させています。規格上4人しか乗ることは出来ませんが、4人と4人分の荷物を積むには十分なスペースが確保されています。

3)経済的

これも売れている大きな理由ですが、自動車税が安いです。2015年4月からは10,800円に値上がりしますが、普通車に比べればまだまだ安いです。その他、自動車に関連する色んな価格が安くなります。自動車保険、車検、高速道路、有料道路の通行料などなど。また燃費も良いのでガソリン代も浮きます。
最近の高性能軽自動車は150万円を超えるモデルもあるので、トータルで見ると微妙な所ですが、都度支払う費用が安く済むのは精神的に楽です。

その他、小さい空間に4人詰まって乗るので、前後の席でも会話が聞こえないということが無く、ワイワイガヤガヤ出来るので、乗っていて楽しいです。こんな所にも熱烈な軽自動車ファンがいることの理由かもしれません。

keicar

photo by wikipedia

軽自動車の将来

さて、こんな良いことずくめの軽自動車。このまま繁栄し続けるのでしょうか。

軽自動車全長3.4m、全幅1.48m、排気量660ccという制約を課せられることで色々と優遇されてきたわけですが、その制約の中で軽自動車はあらゆる可能性を追求していき(+経済的な時代の後押しもあり)、今のような黄金時代を築きました。

このまま自動車メーカー、そしてユーザーにとって良い関係が続くのでしょうか。
僕はそうは思えないのです。日本国民の人口は少子化の影響もあって徐々に減っていきますし、若い世代では車離れの傾向もあります。市場自体は縮小していく中で、複数メーカーでの競争が激しくなるので、淘汰されるメーカーも出てくるのでは無いでしょうか。普通車の場合は海外の市場に進出するなどで台数を稼ぐ事が出来ますが、最大の海外市場であるアメリカでは軽自動車は規制により売ることは出来ず、国内で売れない場合は淘汰されるしかなくなります。

ということで、直近数年は大きく変わることは無いと思いますが、10年ぐらいのスパンで考えると、このまま軽自動車の規格が維持され続けるとは考えづらいです。

いずれ軽自動車の規格は撤廃され、超小型車という普通車のジャンルを作るのではと僕は考えます。海外では安価な小型車のニーズは新興国を始め根強いものがあるので、超小型車という新ジャンルで世界に進出すれば十分競争力があるのではないかと思います。

日本では決められたルールの中で最大限のパフォーマンスを発揮するのは優れていますが、新しいルールを作るとか、ルールを超えた発想は苦手です。全長4m未満、全幅1.6m未満、排気量800ccぐらいの新規格の自動車ジャンルを新たに作るような気概のあるメーカーが出てきて欲しいものです。