以前Skylake問題について記事に取り上げましたが、8月11日Microsoftが3度目の方針転換を行い、Skylakeを含む第6世代以降のCPUについても当初のOSサポート期限までサポートする、ということになりました。

結果としては1月にサポートポリシーを変更してから7か月後に元に戻ったことになるわけですが、今回はここに至るまでの経緯と、この騒動でどんな混乱があったのかを書いてみます。

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サポートポリシー変更の経緯

まず、変更の経緯を表で示してみます。

skylakeproblem02

このように今年の1月に第1回目のサポートポリシー変更を表明し、3月にサポートポリシー変更の通知を出し、そして今年の8月11日に3度目のポリシー変更をしました。結果としては1回目の変更以前と同じ状態に戻ったことになるわけですが、この数か月間で様々な混乱が起きました。

サポートポリシー変更による混乱

このポリシー変更で影響を受けたのがWindows7を使っている企業です。多くの企業では社内システムのWindows10対応が十分に進んでいないため、当面はWindows7を使わざるを得ない状況にあります。

そのような状況の中、最新のPCにWindows7を搭載するとサポート期間が短くなってしまうという事態になってしまったのです。

第5世代以前のCPUを搭載したPCを買いだめしたり、Windows10の導入検証を計画より前倒しでやらざるを得なくなったりと多くの企業では方針検討や、変更などでバタバタと振り回されてしまいました。

また企業にPCを供給しているメーカーも、販売中止した第5世代CPUを搭載したPCの販売を再開したりとMicrosoftの方針変更で右往左往する羽目になりました。

結局はWindows10への移行を促したかっただけ?

当初の説明では最新のCPUはWinodows10に最適化されており、Windows10以前のOSではアーキテクチャが対応していないのでサポートを打ち切る、といった内容でした。そして、今回のサポート期間がもとに戻ったことについては、IntelやOEMベンダーの協力で対応可能になったとのことです。

IntelやOEMベンダーとの協業でSkylake問題に取り組んでいたのであれば、2回目のポリシー変更の際にそのような情報を出すべきだったと思うし、どうにも後付けの言い訳の様にしか聞こえません。

Microsoft側にも言い分があるとは思いますが、要はWindows10への無償アップグレード期間中にWindows10への移行を促したかっただけと考えられても仕方ないでしょう。

結局損をしたのはMicrosoft

このSkylakeを巡る騒動の中で一番損をしたのは誰なのでしょうか?

Windows7を使わざるを得なかった多くの企業でしょうか?恐らくSkylake問題で計画の見直しを迫られた企業は多かったと思うので、想定外のコストが掛かっていると思われます。

しかしWindowsを使い続けるのであれば、ゆくゆくはWindows10の導入には対応せざるを得ないので、遅かれ早かれ掛かるコストと思えば実のところそれほど痛くはないはずです。

Skylake問題で一番損をしたのはMicrosoft自身であると僕は考えています。

Windows10の普及を推し進めたかったのに、その目的を果たせなかっただけでなくMicrosoftの重要な収入源の一つである企業ユーザーからの反感も買うことになってしまったからです。

特にOne Windows 注)の世界を目指しているMicrosoftにとって、Windows7/8.1の旧資産に社内のリソースを奪われるのは本望ではないだろうし、One Windowsへの移行がまた一歩遅れることにもなります。

注)One Windowsとは
Windows10発表時にMicrosoftが提唱した考えで、あらゆるデバイス上でWindows10とそのアプリを動作させようとする考え。

最近のMicrosoftはこのSkylake問題を始め、Windows Bridgeの開発の遅れ、Windows10 mobileの普及が進まないなど、Windows10を発表した当時のOne Windowsの世界の実現に手こずっているように見受けられます。

外野から見た勝手な想像ですが、Windows自体が巨大化しすぎてプロダクト全体を把握して管理できる人がいないのではと感じますが、実際のところどうなんでしょうか。

一世を風靡したIT界の巨人も大きくなりすぎてコントロールしきれなくなっているのかもしれません。One Windowsは果たして実現するのか、Microsoftも岐路に立たされています。

参考URL:Skylake systems supported on Windows 7 and Windows 8.1

PS.サポート期間も元に戻ったし、自作PCでWindows7を使うぜ!という方のためにSkylakeのリンクを貼っておきます。