人生は壮大な実験だ!本田直之x野尻佳孝の対談を聴いてきた

僕の好きな作家の一人、本田直之さんが明治大学の校友会(いわゆる大学のOB会)で講演するとのことで、しかもOB以外の人も聴講可能と聞いたもんだから、真っ先に申し込んで聴いてきました。

本田直之さんといえば、ハワイと東京のデュアルライフを提唱していることで有名で、レバレッジシリーズなどの著書が大人気な方です。ビジネスの世界でも成功している方ではありますが、最近ではLess is more、ノマドライフ、脱東京などライフスタイルの変革を提唱する著書が多く、ライフスタイル変革のエバンジェリストみたいなポジションがすっかりと板についてきた感じがします。

今回の講演ではもう一人、明治大学のOBで上場企業の社長である野尻佳孝さんも登壇されていました。野尻さんと言えば、堀江さんやサイバーエージェントの藤田さんを始めとする、2000年代初頭の若手経営者ブームを作った経営者の一人で、当時最年少で東証一部上場を果たしたやり手の経営者です。

今回はそんな二人がどんなお話を聞かせてくれるかを楽しみに参加してみました。

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目次

講演会の流れ

約70分間という短い時間だったのですが、セッションの流れは次の様なものでした。

1.それぞれの自己紹介
2.明治大学で学んだこと
3.フリートーク
4.参加者からの質疑応答

このセッションの中で個人的に印象に残ったところをメモしておきます。

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ハワイ暮らし

もともと海や島が好きで、将来は島で永住したいと思っていた本田さん。大学時代に永住できる島探しの旅をされた話が面白かったですね。沖縄、フィジー、そしてハワイと回ってハワイに決めた経緯。ハワイに移住する際に、参考に出来る人がいなくて、唯一参考になったのが大橋巨泉さんの本とか。ハワイ生活を始めるときには、100%の自信なんかなかったことなどをお話しされていました。

今ではハワイ暮らし=本田直之みたいなイメージですが、それでも始める当初は前例がなかったこともあって本人自身も不安を感じていたことなどを知ることが出来たのが印象的でした。不安を感じていたからこそ、実現するまでに10年近く準備が必要だったということがわかるような気がしてきました。

複数の仕事をかけもちすることでの相乗効果

本田さんは学生時代、ほとんど大学には行っておらず3つの全く異なる仕事をされていたそうです。一つは先輩が立ち上げた会社の手伝い、もう一つはバー、そして3つ目は女性ファッション誌。全く異なる3つのアルバイトをしていたことで、周囲からも変な目で見られたし、本人も大変だったそうですが、結果的には全く違う3つのことを同時進行ですることで、それぞれの仕事で得た気づきや知見を、別の仕事に活かせるなどの相乗効果があったそうです。

これは激しく同意です。僕自身も本業(SE)と中小企業診断士の仕事は接点はあまりないのですが、両方の仕事が相互に作用しあっていると感じることが多いんですよね。

シンプル=簡単ではない

シンプルなライフスタイルを提唱している本田さんですが、シンプルとは簡単な生き方ではないと仰っていました。世の中が複雑化しているなかで、シンプルさを追求することは非常に難しく、しっかりと考えていかないとシンプルには慣れない。ゆえにシンプルにすることは難しい。

だからこそシンプルに生きるにはしっかりと考えて考えていかないといけない。シンプルにするには工夫が必要でクリエイティブでなければならないとのこと。うんうん、わかるなぁ。

ビジネスに役立つスキル

どんなスキルがビジネスで役立っているか?という質問に対して本田さんは、物事をロジカル(論理的)に整理して、表現するスキル、と仰っていました。これはアメリカでMBAを取得する際に培ったスキルだそうですが、このスキルが一番役に立っているとのこと。多様なバックグラウンドを持った人達とディスカッションして、自分の意見を主張していく際にこのスキルが鍛えられたとのことでした。

仕事をする上で知識やノウハウも当然必要ですが、それ以上に周囲を納得させ、人を動かしていくには論理的な思考力と、それを伝える力が必要なんですね。

能力の活かし方

仕事で成果を出す人と、出さない人との違いはなんでしょうか?という質問に対して、本田さんは次のように回答しています。

個々人の能力に大きな差は無いと思う。差があるとしたら、自分に向いていること、得意なことを知っていて、それを突き詰められる能力だと思う。それには自分をよく知っていることが必要だ。

自分の適性を知り、適性があるところで力を発揮すれば、おのずと成果は出てくるものだということだと思います。自分に得意なこと、向いていることってなんだろう、と今更ながら考えてしまいました。

ゴールを定め、逆算で考えることが大切

これは野尻さんの発言で、まずはゴールを定め、それに向かってやるべきことは何か、いつまでに何を実現していればゴールできるのか、などを逆算して考えて物事を進めているとのこと。いかにもやり手のビジネスマンらしい発想です。これって誰しも考えればわかるのですが、実践できている人って少ないんですよね。

生きるために必要な能力

生きるために必要な能力で、今後もっとも必要とされる能力として、問題解決力、課題解決力を野尻さんは仰っていました。ビジネスの世界に限らず、前例のない問題に取り組むことは多くあるので、そいういったときに発揮される問題解決力が生きていくうえで一番重要な能力ではないかとのことでした。

全般的に

今回は本田直之さんの言葉が多くなってしまいましたが、野尻佳孝さんの謙虚で明るいキャラクターに魅了されました。ビジネスで成功しているにも関わらず、現在も大学に通うなど向上心が強く、”学生から学ぶことは多い”と謙虚な姿勢でとても素晴らしい人だな、と感じました。

本田さんは著書を何度も読んでいたので、本通りの人でしたが、何気ない一言一言にも気づきをえることが出来ました。

約70分という短い時間でしたので、もう少しお二人の話を聞きたかったところですが、無料の講演会でここまでお話を聞くことが出来たので大満足でした。