先日、小田原の北条5代祭りを見に行ってきました。小田原城を中心に戦国時代に栄華を誇った北條家を称えるお祭りです。今回は武者行列の北條早雲役に小田原観光大使の柳沢慎吾さんが抜擢されており、間近で見ることが出来ました。
いつもはそれほど混雑していない小田原の駅前も人で溢れかえっており、どのお店も行列が出来ており昼食をとるのにも一苦労するほどの盛況ぶり。後日わかったことですが、武者行列が行われた日だけで24万人もの観光客を集めたそうです。
24万人というとものすごい人数に感じましたが、実際にはどの程度なのか調べてみました。
平成26年(2014年)の神奈川県の観光統計資料を見てみると、小田原市の5月の来訪者の数は約49万人とのことなので、たった一日でひと月の半分を集客してしまったということで、集客力が高いお祭りなんだな~と感心してしまいました。
そこで今回は横浜、鎌倉、江の島、箱根と日本有数の観光名所を持つ神奈川県の統計情報を見ながら感じたことを書いてみます。
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目次
神奈川県の観光情報
神奈川県の観光に関する統計情報はこちらを見ると詳しく記載されています。
一番最近の調査結果は平成26年度(2014年)のものなので、今回はこのデータを使っていきます。
集客力の高いエリアはどこか?
まずは大きなくくりで集客力の高いエリアがどこか調べてみました。
観光客数が多いエリア
- 第1位 横浜・川崎地域 5,930万人
- 第2位 湘南地域 5,257万人
- 第3位 箱根・湯河原地域 3,152万人
- 第4位 三浦半島地域 1,494万人
- 第5位 相模湖・相模川地域 1,368万人
- 第6位 丹沢・大山地域 1,210万人
ということでほぼ予想通りの結果でした。やはり上位3地域は知名度も高く、4位~6位と比べて集客力が強いことがわかります。
集客力の強い市町村はどこか?
先の横浜、川崎地域、湘南地域、箱根・湯河原地域の市町村が上位に入ってくると思いますが、市町村別でのトップ10を調べてみたところ次のような結果になりました。
- 第1位 横浜市 4,426万人
- 第2位 鎌倉市 2,196万人
- 第3位 箱根町 2,119万人
- 第4位 藤沢市 1,774万人
- 第5位 川崎市 1,504万人
- 第6位 相模原市 1,102万人
- 第7位 逗子 799万人
- 第8位 横須賀市 785万人
- 第9位 平塚市 707万人
- 第10位 三浦市 571万人
集客力の強いのはいつなのか?
集客力の高さベスト10の市町村の中で、いつが一番人を集められているのかを月別の統計情報を元に調べてみたところ次のような状況であることがわかりました。
- 第1位 川崎市 1月 742万人
- 第2位 鎌倉市 1月 634万人
- 第3位 横浜市 8月 523万人
- 第4位 藤沢市 8月 392万人
- 第5位 箱根町 8月 248万人
- 第6位 平塚市 7月 210万人
- 第7位 相模原市 8月 174万人
- 第8位 逗子市 8月 159万人
- 第9位 三浦市 8月 111万人
- 第10位 横須賀市 8月 110万人
興味深い結果となりました。まず時期で言うと上位2つが1月、それ以降は平塚市以外は8月、そして平塚市だけが7月となっています。これはどういうことなのでしょうか?
まず1月に一番集客力が高まる川崎市、鎌倉市ですがこれは初詣客です。川崎大師、鶴岡八幡宮の参拝客数はそれぞれ300万人以上と言われています。日本人がいかに初詣を大切にしているかが、この数字からもわかります。
次にその他の市町ではほとんど8月が集客力が高まっています。これは夏休みがあり、人の移動が多いこと、花火大会や祭りといった集客しやすいイベントが夏に多く行われていることと関係があると考えられます。
そして唯一7月でランクインした平塚市。これは関東3大七夕祭と言われている湘南ひらつか七夕祭の影響が大きいといわれています。お祭りが行われている3日間だけで150万人近く集客するということで、単一イベントでは県内最高レベルのお祭りではないでしょうか。
ちょっと脱線してしまいますが、平塚の七夕祭りは昔と比べて祭りの期間が短くなっており、その影響を受けてか最盛期では350万人近く集客出来ていたのが今では半分近くに減ってしまっており、課題もあるようです。
まとめ
今回は統計情報を眺めてみて気づいたことをピックアップしてお伝えしましたが、細かく見ると面白そうなので、もう少し見てみたいと思います。ワイワイガヤガヤして人が集まる所に行きたいという人はこれらの統計情報を参考に見てみると面白いかもしれませんね。
横浜・川崎、鎌倉、江の島、箱根といった都心からのアクセスも良く、歴史的な建造物や史跡などがある地域は予想通り集客力がとても高いことが数値で見てもはっきりと見て取れました。そして人の移動が活発になる夏の時期に地域の特色を活かしたお祭りやイベントをうまく使うことでうまく集客出来ていることもわかりました。
このことから集客に必須の要素として、
- 地域資源(史跡、建造物、歴史)
- 時期(地域の強みを活かせるイベントに適した時期)
- 交通アクセス
の3つがあり、これらの組合せを工夫することで集客力を高めているように感じました。
僕は人混みが苦手なので、人が大勢集まるお祭りなどのイベントは苦手だったのですが、こうやって分析したり理屈を付けながら見てみるのも楽しみ方の一つなのかな、なんて思ったりしています。