非効率だけじゃない。本当はすごいマルチタスクの実力

最近の仕事術、ビジネスハック的な記事を読んでいるとマルチタスク(一度に様々な種類の仕事を同時に進める仕事方法)は非効率であるということが盛んに言われています。

だいたいこんな感じの記事が多いです。

「できる人」はマルチタスクで仕事をしない

とはいっても、デキる人ほど仕事が集まりやすいし、複数の案件を同時進行でこなさざるを得ない状況になるし、それが出来る人ほどデキる人という評価が与えられているのも事実です。ではなぜマルチタスクは非効率なのに、マルチタスクが出来る人が評価されるのでしょうか。

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マルチタスクが与える影響を調べる実験

先日もご紹介した僕がオススメの雑誌、クーリエ・ジャポンの12月号でこんな記事がありました。アルキメデスからダーウィンまで非凡な業績の鍵は「マルチタスク」だ、という記事の中でハーバード大学の心理学者がマルチタスクに関する実験を行ったとのこと。

被験者を1つの課題を終えてから、次の課題に取り組むシングルタスクのグループと、2つの課題を一定時間ごとに交互に取り組むマルチタスクのグループに分けて、その結果を比べてみるというものだ。

予想通り、150秒ごとに頭を切り替えた(つまり、マルチタスク的な思考をした)被験者たちは、考えるスピードが遅くなり、しばしば混乱した。解読できたアナグラムの数は少なく、論文の読解力テストの点も低かった。

ということで、世間一般で言われている通り、マルチタスクは仕事に悪影響を与えることがわかった。しかし、面白いことに次の様な効能が見受けられたとのことだ。

ところが、このマルチタスクをした人たちには良い収穫もあった。彼らの方がよりクリエイティブになり、「拡散的思考力」のテストでは好成績を記録したのである。

実験ではマルチタスク的な思考を強いられた被験者のほうが、このテストではアイディアの量でも独創性でも良い点数を取った。

この記事の中では、通常の人が無意識の内に自分に入ってくる情報量を制限する潜在抑制と呼ばれる機能が、クリエイティブな人は弱く、通常の人より多くの情報を取り込んでしまうそうです。その結果多くの情報を意識的もしくは無意識的に結びつけ、創造的な仕事をやってのけてしまうそうです。

マルチタスクが出来る人はデキる人は間違いじゃなかった

これらの実験結果からわかるのは、マルチタスクが出来る人は一つ一つの作業効率は落ちるかもしれませんが、その結果多くの情報を取り込み、それらが頭のなかで結びついてクリエイティブな仕事、価値のある仕事につながっているからこそ、デキる人と言われるのでしょう。

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これからは意図的にマルチタスクをこなしていこう

これまではマルチタスクは仕事の生産性を下げる悪いことの代表例として忌み嫌われ、マルチタスクをいかにシングルタスクにして効率を上げるか?がビジネスハック術として多く語れてきました。しかし、これからは意図的にマルチタスク状態を生み出して、クリエイティビティを高めることが重要なビジネスハックの一つになるかもしれません。

今後は「クリエイティビティを上げるためにマルチタスク状態にするために必要な5つのこと」なんて記事が増えるかもしれませんね。