新型コロナウイルスの感染拡大抑止のために一気に広まったテレワーク。そしてテレワークに欠かせないのがWebミーティングシステム。MicrosoftのTeamsやGoogleのMeets、CiscoのWebEXなどが有名どころですが、ここのところ大躍進しているのがZoomです。WebEXの開発者が立ち上げた会社ということで、その音声や画像の品質の高さ、利便性の高さなどで一気にシェアを上げました。
新型コロナが感染拡大する前は約1,000万人のユーザーだったものが2020年4月には3億人に達するなど、この数ヶ月で利用者が30倍に急増したそうです。急増したことに加えセキュリティの問題などもあり何かと話題を振りまいたZoomですが、ここに来て公式ブログでZoom専用端末が発表されました。
Zoom Blog:リモートワーカーを支えるZoom for Homeが登場
Zoomはスマホ、タブレット、PC、Macなど様々な端末で利用できるのであえて専用端末を用意する必要性があるのか?といういささか疑問が沸いたので、今回はZoom専用端末であるZoom for Home – DTEN MEの概要と、どんな用途で利用できるのかなどを書いていきたいと思います。
目次
Zoom専用端末の概要
Zoom専用端末は正式名称はZoom for Home – DTEN MEと呼ぶそうですが、長いのでここではZoom専用端末として統一したいと思います。
Zoom専用端末がどんな端末であるかを知るためにまずはこちらの動画をご覧下さい。
1分少々の簡単な紹介動画です。
Zoom専用端末の主要なスペックは以下のとおりです。
・27インチスクリーン(マルチタッチ対応)
・3カメラ
・8マイク(ノイズ軽減マイク)
・スピーカー
・専用OS上にZoomソフトウェアをインストール
・サイズ:616 x 391 x 104 ミリ
・重量:6.5Kg
・価格:599ドル
気になる値段は599ドルは日本円にして約6万4千円程度です。Zoomしか利用できない端末と考えるとこの値段、高く感じますが、性能の良いディスプレイやWebカメラ、マイク、スピーカーなどを個別に揃えることを考えるとお手頃価格ではないでしょうか。
また隠れた特徴として、Zoom専用端末はIT部門が管理コンソールでリモートで管理、設定ができるそうなので、企業などで大規模に導入するなどの用途でも効率的に導入・運用ができそうです。
Image Source:Zoom Blog
Zoom専用端末はどんな用途に利用できるのか
Zoomの公式ブログによると、このZoom専用端末は在宅勤務をサポートする取り組みの一環として開発したと言っています。が、在宅勤務の場合は一人で行うことが多いので、PCやスマートフォンなどがあれば十分事足りるのではないでしょうか。
実際Zoomが普及した理由も新たな設備導入することなく利用できることも大きな要因だったと思います。
ではZoom専用端末はどんな用途で向いているのでしょうか。
サテライトオフィス間のミーティング
僕が考える最適な使い方は数名のサテライトオフィス間でのミーティングです。めっちゃニッチな使い方ですね。僕がこのように考える理由の一つにZoom専用端末が複数のカメラやマイクを有していることです。
複数のカメラとマイクがあるので、4〜5名がいる会議室の真ん中にZoom専用端末をおいて、ミーティングに参加すれば全員の顔が見れるし、声も拾えるということで個々にPCでログインするよりも一体感のある会議になるのではないでしょうか。
また、昨今は大都市圏に本社を構えている企業でも、地方にサテライトオフィスを設ける企業がIT系の会社を中心に増えています。今回のコロナ禍でサテライトオフィスの広がりも加速するのではないかと思っています。そうするとあちこちに点在するサテライトオフィス間のコミュニケーションも増えると思うので、そういった時にこのZoom専用端末は役に立ちそうです。
会議室に常設
次に考えられるのが企業の会議室にこのZoom専用端末を常設する、という使い方です。Web会議の普及により会議のあり方そのものが変わってきていますが、まだまだ顔を合わせて会議したいというニーズはまだまだ根強く残っています。
そこでコロナ禍が収まってからの会議では会議室に人が集まり、中心にこのZoom専用端末を起き、遠隔地の会議室に集まった人々とZoom会議をするという使い方ができるようになります。
各自のPCでバラバラに会議に参加するよりも、会議室に人が集まって会議をした方が従来型の会議が好きな人も満足できるし、遠隔地に移動する手間が省けるというWeb会議のメリットも活かせる形になります。
最後に
今回はZoom専用端末がどのような用途に使えるのかな、と若干無理やり考えてみましたが、予想もしない使い方で普及する可能性もありますので、発売開始後の動向を追っていきたいと思います。
Image Source:Zoom Blog
サイズも機能も全然異なりますが、似たような端末でMicrosoftのSurface Hubというものがあります。Windows10を搭載した巨大な多機能ホワイトボードのような製品ですが、こちらも一部の企業での導入にとどまり普及しているとは言えません。
Surface Hubは非常に高価で大柄な製品でしたが、Zoom専用端末は安価で比較的取り回しの良いサイズなのでもしかしたら一気に普及するかもしれませんね。