4月3日に情報処理推進機構がはじめての情報処理安全確保支援士登録が完了したことを発表しました。
プレス発表 4,172名の「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」が誕生!
我が家にも登録証が送られてきました。
昨年末に登録手続きを行ったきりで、すっかり忘れていたところだったので、いきなり書留で登録証が送られてきたのでびっくりしました。
何はともあれ、中小企業診断士につづく士業の肩書がもう一つ増えたのは良かったかなと。名前負けしないようこれからも頑張ります!
さて、自分のことはさておき、今回のプレス発表で気になったのが初回登録したのが4,172名という数字。
セキュリティスペシャリストの試験は年二回、毎回2,000〜3,000人の合格者を輩出しているので、直近5年の合格者だけでも軽く2~3万人はいるはずです。
それなのに登録したのはたったの4,172人ということで随分と少ないな、というのが個人的な印象でした。
4,172名の内訳もこんな感じです。
出展:IPA
ここ1,2年の合格者の登録が多いですが、それ以降はまんべんなく少ない、といったデータでした。
そこで僕なりに情報処理安全確保支援士の登録が少なかった理由を考えてみました。
目次
1.登録手続きが面倒くさい
以前登録方法について記事を書きましたが、本当に面倒くさいです。お金を払えば済むものでなく、書類書いたり行政に書類を集めに行ったりと一日仕事になります。
おまけに登録料も2万円近く取られますし、踏んだり蹴ったり。この時点でほとんどの人は脱落してしまうのではと思われます。
2.研修が高い
情報処理安全確保支援士になると毎年オンライン研修の受講と3年に一回の集合研修の受講が必須になります。最新の知識を補充するという意味で研修を受けることは良いのですが、問題は研修費用です。オンライン研修で1回2万円、集合研修にいたっては1回8万円もかかります。つまり3年間で14万円もかかるのです。
中小企業診断士の理論政策研修なんて1回6,000円ですよ。ちょっと高いですよね。資格取得のメリットがないととても払っていられない金額です。
ちなみに僕は中小企業診断士も持っているのですが、診断士協会の年会費が約5万円、その他登録しているもろもろの研究会の年会費が合計して1万円ぐらい。実務従事をお金を払ってやった場合は2万円ちょっと。ということで診断士の年間コストが8万円ぐらい。
これに支援士の研修費も乗っかってくるかと思うと結構気が重いです。
3.資格取得のメリットが見えない。
これまで書いたとおり面倒くさい手続きも、高い研修費も、それに見合う資格取得のメリットがあればいいんです。しかし、現時点では資格取得のメリットはほとんどありません。名刺に記載できることぐらいでしょうか。
ここはIPAにももっと頑張ってもらいたいところで、有資格者のコミュニティやら、有資格者ならではのメリットが得られる機会を創出してほしいものです。
最後に
ということで情報処理安全確保支援士の登録者数が少ないことに絡めて個人的な不満を色々と書いてしまいましたが、情報処理安全確保支援士の価値を高めるのはIPAではなく資格保有者である私達そのものです。
資格保有者としての責任も重いものとなってきますので、自覚をもって今後も情報セキュリティの普及、啓蒙に携わって行きたいと思います。