ふなっしーといえば、TVで見ない日が無いぐらいの人気者ですが、ふなっしーをプロデュースしている人(ふなっしーの中の人とイコールなのかな?)は天才的なマーケッターなのじゃないかな、と思えてきたので、少しふなっしーの活動について考えてみました。
目次
企業における競争の基本戦略
企業の競争戦略の中で、もっとも有名なのがポーターの「競争の3つの基本戦略」です。これは戦略ターゲットと戦略の優位性を縦横にマッピングして、どの戦略を取るかを表したものです。
ここでいう差別化戦略とは、買い手(サービスの受け手)にとって、魅力的な独自性を打ち出すことで、競争企業に対する優位性を価格以外の点で築く戦略のことを言います。企業は差別化を図るべく、様々な手法を凝らしてきます。
一般的な企業であれば
- 製品そのものに関するもの デザイン、性能、品質、操作性など
- 製品サービスに関するもの アフターサービス、サービスの明快さなど
- 消費者の認知度を高めるもの 広告、宣伝など
などの切り口で差別化ポイントを作っていきます。
ふなっしーの差別化戦略
ふなっしーは、ご当地キャラ、ゆるキャラの中でも特異な地位を築いていますが、その差別化戦略がぶっ飛んでいます。
- 着ぐるみなのに、しゃべる。
- 着ぐるみなのに、動きが速い、ジャンプする。
- 着ぐるみなのに、話が面白い
- イリュージョンに代表されるような、着ぐるみのタブーをネタにする。
などなど。こうやって書き出してみると、「着ぐるみなのに、」という枕詞が付く戦略が多いことに気づきます。ふなっしーが活動するご当地キャラ、ゆるキャラ市場は着ぐるみでなければならない、という市場のルールによって成り立っていますが、そのルールに沿いながらも、ルールの逆を行く行動を取ることで差別化を図っていったんですね。
これを意図してやっていたとしたら、ふなっしー、相当な策士ですね。さて、この差別化戦略がふなっしーの強みであることは間違い無いのですが、ふなっしーにはもう一つ、とっても強力な強みがあります。それは徹底した「顧客志向」です。
phot by Wikipedia
ふなっしーの顧客志向
昨年ふなっしーと阿川佐和子さんの対談がTVで放映されていまして、ふなっしーの発言でとってもいい事を言ってるなー、と思ったことがありました。
阿川さんから、「ほかのキャラとは違うぞっていうところ見せる武器は何かもっていたの?」と聞かれた後に、ふなっしーは「何をしたら目の前の人が笑ってくれるのかなってしか、考えていなかった」と言ったんですね。
例の梨呼吸も、飛んだり跳ねたりも、やってみたら喜んでくれものをどんどん取り入れて今のふなっしーが出来上がったと考えられます。これって、当たり前の様に思えるけど、なかなか出来る事じゃないですよ。
ということで、意図してやっているかどうかはわかりませんが、ふなっしーの差別化戦略と顧客志向は、ふなっしー人気を不動にした根幹となる戦略でした、という話でした。
ふなっしー自身は今の人気は長く続かないと冷静に捉えているようですが、個人的にはふなっしーの見た目に似合わず、優しい語り口調が大好きなので、人気が一段落したらトークの方面で活躍して欲しいな〜と思っています。