週休3日 働き方改革

週休3日制は定着するのか?

新年早々、働き方について話題になった記事がありました。
フィンランドのマリン首相が週休3日制、1日6時間労働制を検討しているという報道です。昨今の働き方改革ブームに乗ってからか、このニュースが一気に広まりました。後に誤報だったことが発覚しますが、これだけ拡散されたことに世間の注目度が高い話題だったことがわかりました。誤報であったことはこちらの記事に譲るとして、今回はこの週休3日制などの短時間労働はどうすれば定着するかを考えてみました。




目次

週休3日制の課題

一般的な業態の会社だと週休2日が定着していますが、週休2日制と比べて1日働く日が減って、1日休みが増えるのが週休3日制。当たり前のことですが、働く日が減って、休みが増えるって聞くだけで幸せな気分になりますよね。

休みが増えると、疲れが取れる、好きなことをやる時間が増える、家族と過ごす時間が増える、旅行に行きやすくなる、など良いことばかり思いつきます。

一方で仕事が1日減るというのはどうでしょうか。仕事を1日しなくても良いというのは確かに楽になりそうですが、これまで5日かけてやってた仕事を4日でやらなければならなくなるので、単純な計算ではありますが、1日にやらなければならない業務量は1.25倍になります。

1.25倍に増えた業務量をこなすために、いつもの1.25倍の時間働くとなると働きすぎで本末転倒になるので、増えた業務量をいかに効率的にこなすか、いかに無駄な仕事を減らすことができるか、が課題になります。

週休3日 会議 働き方改革

すでに週休3日制を実施している会社が日本に!

実は日本でも週休3日制にトライしている会社があります。WindowsやOfficeなどのソフトウェア、最近ではOffice365、Azureなどのクラウドサービスで有名なあのマイクロソフトが実践しています。

詳細はこちらのページで公表されていますので、こちらでは概要の説明にとどめますが、2019年8月の1ヶ月間週休3日制を実施しました。

Microsoftが凄いのは週休3日制を導入するにあたって、具体的なKPIを定め、様々な数値を可視化したことだと思います。

例えば、効果測定においては3つの観点で行っています。
・削減系 削減や最小化を目標とする指標群
・向上系 活性化や増加を目標とする指標群
・満足系 社員の気持ちや印象を確認する指標群

これらの効果測定結果は次のグラフで公表されていました。

出典:「週勤 4 日 & 週休 3 日」を柱とする自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」の 効果測定結果を公開

アンケートのフリコメントの傾向分析を見ると、前向きな意見がほとんどですが不満、苦情が1割もあったということで、すべてが上手く行ってるわけではないようです。

出典:「週勤 4 日 & 週休 3 日」を柱とする自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」の 効果測定結果を公開

先に書いた週休3日制の課題についてはマイクロソフトでは、会議は30分まで、人数は多くて5人まで、そもそもコラボはTeams(マイクロソフトのオンラインコミュニケーションツール)を活用する、などのルールを設けて業務の削減、効率化を図るよう取り組んだそうです。

出典:「週勤 4 日 & 週休 3 日」を柱とする自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」の 効果測定結果を公開

この日本マイクロソフトの取り組みの公表結果は週休3日制を考えるのにとても参考にあるものでした。




週休3日制を定着させるには

週休3日制を定着させるには、業務の生産性向上、無駄な業務の削減などの一層の取り組みが必要なのと、休みの日の過ごし方の質を向上させることが大切になると考えています。

業務の生産性向上、業務削減は企業として取り組む課題です。マイクロソフトの事例のようにルールを設けたり、ツールを活用したりといった取り組みが必要です。最近流行りのRPAなどの活用も進むでしょう。

一方で企業として関与できない部分であるけど、週休3日制の定着に重要な要素の一つが休みの日の過ごし方の質の向上です。

休みの日なんだから好きなようにやってもらって構わないのだけど、休息をしっかりとるとか、社会貢献活動をするとか、自己啓発をするなど個人のパフォーマンスを上げるための活動など、積極的な取り組みが求められるようになるのではないでしょうか。休みの日を有効活用できる人と、できない人の差が大きく現れる社会になると思われます。

休みの日の活用方法を促進するために企業としてできることしては、自己啓発促進のためのサポート体制を用意したり、会社主催のボランティア活動の開催などがありますので、増えた休みの有効活用するためのサポートをどのようにしていくかも企業の重要な役割になると考えられます。

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最後に

週休3日制は一部の企業で取り組んだとしても、他社で導入が少なければ、結局顧客が営業している日は対応せざるを得なくなるので、しっかりと休みを取ることが難しいと考えられます。本気で週休3日制をやるのであれば政府主導の取り組みの方が普及するのではと思われます。

一方で、中国では996問題が出るように未だに長時間労働の猛烈な働き方が行われています。過重労働は持続性はありませんが、急激な経済発展には欠かせなかったと思います。ビジネス視点で考えると猛烈に働く競合国と週に4日しか働かない日本が対等に渡り合うには相当な働き方の革新と覚悟を決める必要があると思います。

楽したいから、なんて甘い気持ちで取り組むとあっというまに遅れを取りそうで不安を感じます。

個人的には週休何日制とか一日労働時間が何時間とかいう問題でなく、多様な働き方がもっと進めば良いのにと思います。

例えば今日はあの会社でシステム企画の打合せに参加するけど、明日はあっちの会社でプログラミングをやってとか、本業、副業とかの区分無く、好きなところで好きなだけ働けるような社会が来れば良いのにと思います。

一人一社ではなく、一人で複数社で働く、なんて時代が来たら良いのにと思います。そうすれば気分転換もしやすいし、やりたい仕事でモチベーション高く、楽しく働けるし、その方が社会にも貢献できると思うんですよね。