攻めのIT経営中小企業百選に見る、IT活用事例の勘所

経済産業省が攻めの分野でのIT利活用を積極的に取り組む中小企業を選定する、「攻めのIT経営中小企業百選」を始めたのが平成26年。昨年は初年度ということで33社が選ばれました。そして中間年度である今年は27社が選定されました。

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経済産業省のHPによると、この攻めのIT経営中小企業百選の概要は、次の通りとなります。

近年のITの高度化によって、その活用が企業の経営革新にとって有益な役割を果たすことが期待されている中で、我が国企業のITの活用の仕方も大きく変化が求められています。具体的には、我が国企業のIT投資は社内の業務効率化・コスト削減を中心とした「守り」に主眼が置かれているのに対して、外国企業においては、ITの活用による企業の製品・サービス開発強化やITを活用したビジネスモデル変革を通じて、新たな価値の創出やそれを通じた競争力の強化を目指す、いわゆる「攻めのIT投資」を積極的に行っており、今後我が国企業においても「攻めのIT投資・利活用」をさらに進めていく必要があります。

そこで、攻めの分野でのITの効果的な活用に積極的に取り組み、成果を上げている中小企業をベストプラクティスとして選定する、「攻めのIT経営中小企業百選」を開始しました。

ということで、この攻めの百選で選定された企業の取り組み事例をじっくりと読み込むことで、近年の中小企業におけるIT活用のトレンドを知り、自社に活かしていくことが大切だと思います。

今回は、事例企業を見ていて僕なりに感じたところと、この百選の使い方について書いてみます。

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1.自社の経営効率化におけるIT活用

今回のIT活用事例を見ると、大きく2種類に分類されます。一つは自社の経営効率化におけるIT活用。そしてもう一つがビジネスモデルとしてのIT活用。

まず、最初に自社の経営効率化におけるIT活用を見てみると、やはり近年の大きな流れで自社のシステムをクラウド上に挙げて、スマートフォンやタブレットといった携帯端末を駆使した情報共有、情報の見える化に取り組んでいる企業がとても多いことがわかります。

自社でシステム環境を構築するのはこれまで大きなハードルとなっていましたが、初期投資を抑えられ、使いたい分だけコストを支払うというクラウドの発展は中小企業の経営の後押しをしているように感じました。

もう一つ目を引いたのが自社専用の業務システムを構築し、自社のビジネスを最適化している企業が数社あったこと。これはコスト的にも技術的にもハードルが高いですが、うまく活用して成果を上げている企業もあるようです。

これとは逆にパッケージソフトを使って、自社業務の標準化、投資コストを抑制している企業もあります。各社、自社に最適なIT活用方法を吟味して、導入していることがわかります。

 

2.ビジネスモデルとしてのIT活用

次にITをビジネスモデルとして活用している事例も多くありました。例えばITを活用した学習システムを提供している企業もありました。クラウド上にあるデータをタブレットを活用して学習するシステムです。

またチラシとスマホアプリを連動してチラシには表現しきれない情報を提供したり、といったビジネスモデルもありました。

WEB上で内装、外装を選んで見積を取れる仕組みを提供している会社など、各社各様の工夫をしています。

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攻めのIT経営中小企業百選の使い方

この攻めのIT経営中小企業百選の企業はいずれもIT活用することで売上を伸ばしたり、顧客数を増やしたり、結果を出していることが重要なポイントです。

しかし、ただITを導入しただけで売上が上がることはありません。
僕が考える攻めのIT経営中小企業百選の使い方は大きく2つあると思います。

同業他社がどんな取り組みをしているかを知る

攻めのIT経営中小企業百選は業種、県別に会社をピックアップしていますので、同業を探しやすくなっています。ここで同業(なければビジネスモデルが近い業態)の中でIT活用で成果を上げている企業の活用事例を知ることができます。

自社にそのまま当てはめれそうな事例もあれば、置かれている状況が違ってそのまま活用することができないこともあると思いますが、業界の事例を知ることは知見を得るという意味で重要です。

自社の経営課題を解決できるIT活用事例があるかを調べる

販路開拓に悩んでいるとか、社員間の情報共有に問題を抱えているとか、各社様々な経営課題がありますが、攻めのIT経営中小企業百選に出てくる企業は経営課題解決にITを活用しています。

業種が異なっても抱えている経営課題が同じ事例もあると思いますので、百選の事例の中から自社の経営課題の解決に活かせる事例を探すことも大切な使い方の一つです。

 

まとめ

ITはそれだけでは単なるツールに過ぎませんが、活用の仕方で自社の経営効率化やビジネスモデルそのものにもすることが出来ます。この百選の事例を上手く使って、積極的にIT活用して頂ければと思います。

「攻めのIT経営中小企業百選」選定企業の概要(PDF形式:3,311KB)