北欧で採用が進む6時間勤務はなぜ日本で浸透しないのか?

長い間残業するのは効率の悪い人がやることだと思っていたけど、ここ2~3年仕事の処理が追いつかず、悲しいことに残業するのが恒常的になってしまっています。残業代が付く勤務形態ではないのでいくら残業しても金銭的なメリットもなく、疲れも溜まるし、クリエイティビティも低下するし、デメリットしかありません。

少しでも勤務時間を短くするべく、業務の効率化や作業の効率化に取り組んではいるものの、いずれも決定的なものになっていません。何とかならないかと考えていた時に昨年の秋ぐらいにスウェーデンで6時間勤務を採用している企業が増えているといった内容の記事をちらほら見るようになりました。

例えば、

といったものです。

今回はこれらの記事を読み、日本の社会で6時間勤務が浸透するかどうかについて考えてみました。

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6時間勤務のメリット、デメリット

メリット

  • 従業員のモチベーション向上
  • 生産性の向上
  • 作業品質の向上
  • 離職率の低下
  • 採用活動の優位性向上

デメリット

  • 人件費の負担が増える
  • 政策に左右される

などが挙げられます。メリット面は言わずもがなですが、短時間に集中して仕事をするようになり、その結果生産性の向上や品質の向上を生み出し、さらには売上貢献にもつながるケースもあるようです。

また6時間勤務であれば生活にかかる仕事の負担も減り、離職率も下げることができるし、さらに快適な職場は優秀な人材も採用しやすくなります。

一方でデメリットに目を向けると、先のリンクの記事に書いてあるようにトヨタ系の会社では2シフト制にしたことで、追加で人員を雇う必要が出てきており、人件費負担が増えてしまっています。

単純に時間換算はできませんが、無理やり計算するとなると1日あたりの作業時間が減るので、仕事量が変わらないのであれば一日の勤務時間を8時間から6時間へシフトする場合、社員4人につき新たに社員1人を雇う必要が出てきます。一人雇うには単純に給料を払うだけでなく、保険料など企業が負担する固定費も増えるのでこの部分は企業にとって頭の痛い問題です。

またこれらの費用負担分をスウェーデンでは政府、自治体が補助する仕組みを設けていますが政権が変わるたびに方針が変わっているようで、政策に左右されやすい傾向があり、企業としても採用しづらい一面があります。

このようにメリットがある一方で費用面での負担もかさむデメリットもあり、良いからすぐ導入しましょうというわけにはいかないのが悩ましいところです。

6時間勤務がなぜ日本に浸透しないのか?

それでは6時間勤務は日本に浸透するのでしょうか?僕が思うに浸透するにはハードルが高いのではないかと考えています。

その理由の一つに日本はまだまだ長く働くことが仕事を評価するポイントになっている傾向が強く、色々な統計資料を見ても世界の先進国の中でも平均労働時間はトップクラスに長いです。

つまり日本では労働時間に対する効率、生産性に関する意識がまだまだ低いということです。このような意識の中、6時間勤務を導入しても、結局は今まで同じような労働時間になってしまうのではないでしょうか。

また労働時間を減らすことで追加で発生する人員増に対応する採用費用や人件費など、経費が増える施策は敬遠されることになるでしょう。

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6時間勤務を日本に浸透させるには?

このような状況なので、6時間勤務を日本で浸透をさせるのであれば、

  • 生産性(労働時間あたりのアウトプット)を高めること
  • 人件費にかかる固定費を削減し、人件費をできる限り変動費化させる制度を導入すること

といった課題に国家単位での取り組みが必要と考えています。

生産性を高めるために、生産性を可視化したり、業務のKPIとして使うなど様々な工夫が必要になるでしょう。また労働時間を減らした分を補うために、新たに人を採用するとなると一人当たりにかかる固定費の負担が重くのしかかってっくるので、固定費を減らす制度などの導入も必要になってくるのではないでしょうか。

これらは一企業だけで取り組むことは難しいケースも多々あるので、国が主導して進めるべきなのではと感じています。

個人的には1日8時間もフルに集中して仕事をこなすのは困難だし、6時間勤務になったら無駄な会議や会話も減るだろうし、仕事が終わってからの時間を自己啓発や家族や友人との時間に充てられるので、大賛成なんですけどね。