情報処理安全確保支援士、登録にあたって注意すべき3つのポイント

10月24日に情報セキュリティ分野における初の国家資格、情報処理安全確保支援士の詳細が発表されると同時に、登録受付を開始しました。

僕は情報セキュリティスペシャリストを持っており、登録できる権利があるので登録方法を調べてみたのですが、少し注意が必要だなと感じるところがありました。

そこで今回は既に試験に合格していて情報処理安全確保支援士に登録しようと思っている人向けに、登録にあたって注意すべき3つのポイントをまとめてみました。

  1. 情報セキュリティアドミニストレータ合格者は対象外
  2. 情報セキュリティスペシャリスト、テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)合格者が登録申請できるのは2018年8月19日まで
  3. 登録後の研修費用が意外と高い

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目次

1.情報セキュリティアドミニストレータ合格者は対象外

情報セキュリティアドミニストレータ試験は2001年から2005年まで行われた試験です。情報処理安全確保支援士の制定の際、当初は情報セキュリティアドミニストレータも移行措置の対象として検討されていました。

しかし、パブリックコメントで情報処理安全確保支援士試験が実施される2017年の10年以上も前の資格ということでさすがに古すぎるのでは無いかという指摘があり、対象から外されてしまいました。

情報セキュリティアドミニストレータを持っている人にとっては厳しい判断となってしまいました。というわけで情報セキュリティアドミニストレータの方は情報処理安全確保支援士には登録できませんので注意が必要です。

2.情報セキュリティスペシャリスト、テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)合格者が登録申請できるのは2018年8月19日まで

情報セキュリティスペシャリスト、テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)に合格している人も注意が必要です。それは登録できる期間が限定されているということ。合格していればいつでも登録申請できるわけではなく、2018年8月19日の申請締め切りまでに登録申請を行う必要があります。

登録を考えている人は面倒臭がって登録を先延ばしにせず、最初に申請をしておいた方が良いでしょう。

3.登録後の研修費用が意外と高い

情報処理安全確保支援士がこれまでの情報処理試験と大きく違うのが資格登録後に資格維持の為に研修を受けなければいけないことです。年一回の6時間のオンライン研修と3年に1回の集合研修の受講が資格の維持に必須となっています。

年一回のオンライン研修は知識・技能・倫理の3科目。3年に一回の集合研修はグループ討議も含むということで、それなりに大変そうです。

で、この研修にかかる費用に注意が必要です。現時点では明確な金額は提示されていません(11月頃発表予定とされています)が、IPAの情報では3年間で約15万程度かかると言われています。

登録費用で約2万円。資格の維持で3年で15万円と意外と資格の維持にお金がかかるんですね。

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最後に

情報セキュリティに関わる人材の育成、確保は国家レベルで取り組むべき課題と思っていたので、今回の情報処理安全確保支援士という資格・制度はとても良いものだと思います。

ただし、資格を維持するためにそれなりに労力や費用を要するので、資格をもっていることで得られるメリットも訴求していく必要があります。

制度検討の際に有資格者のコミュニティ作りも検討に上がっていましたので、早い段階で明示して頂きたいところです。そのようなコミュニティが出来たら実務にも活かせるし、仕事を通じて同じような悩みや課題を持った人たちと交流出来るのはとても有意義だと感じるので、積極的に参加したいですね。

参考情報

PS.
情報処理安全支援士試験関連のテキスト、問題集が既に沢山発売されています。基本的には情報セキュリティスペシャリスト試験を踏襲する形になりそうですが、難易度とかはどうなるのでしょうね。