マルナゲドンにならずに成果を出す、上司の力

最近聞いた言葉ですが、仕事を部下や同僚に丸投げすることをマルナゲドンと呼ぶそうです。確かにどの職場でもこういう人、いますよね。具体的な指示もなかったり、本来やるべきでないことまで丸投げしてきて困ることが多いものです。

さて、今回は雑誌日経情報ストラテジー12月号にの特集「2020年の上司力」という特集記事の中にのっていたリクルートスタッフィング社長の柏村さんのインタビューがとても興味深いものだったので、簡単にご紹介します。

目次

仕事丸投げのルール

柏村さんは様々な仕事を通じて部下のマネジメントを学んでいき、最終的に行き着いたのは仕事を丸投げする、ということだったそうです。ただ、いわゆるマルナゲドンと違うのは丸投げするにあたってルールを設けていたこと。

それは…

ゴールとOBラインを必ず設定する

というシンプルなもの。ゴールは達成すべき目標、OBラインは締め切りやコンプライアンスなど絶対に破っていはいけない境界線、この2つを明示して丸投げするそうです。その結果色々ありつつも、皆なんとかゴールまで辿り着いてくれるようになったとか。

このインタビューの中にもう一つ大切なことが書かれています。先のルールの一つ、ゴールを設定するにあたっては、部下個人の強みに応じてゴールを個別に設定することです。

画一的なゴールを設定するのではなく、部下個人の性格や得意とする部分に着目してゴールを個別に設定することで、部下のモチベーションを高めながら取り組んでもらえるようになったそうです。




部下の把握は、まず自分を知ることから始まる

ここでもう一つ疑問に思うのが、部下の強みや性格を見極めると簡単に言いましたが、とっても難しいことです。毎日顔を合わせている部下でも気づいていないことが沢山ありますよね。

そこでこの柏村さんはあくまで自分を軸に考えて解決しているそうです。まず自分がどんな人であるかを自覚し、自分の強みのある部分は他の人をサポートし、弱みのある部分は強みのある人にサポートしてもらう、という判断をするようになったそうです。

自分を知るためには、何のために働くのかを自分なりに何度も問いかけて自分なりの働くことに対する軸を設定し、それを基準に考えるようにしているそうです。

部下に自分を知ってもらう工夫も

この自分を知る延長線上に柏村さんが気を配っていることが一つあって、毎年一緒に仕事をするメンバーに自分の目標や大事にしていることをシェアしているそうです。

これをすることで上司が何を考えているかを部下も理解しやすく、行動の基準が明確になり動きやすくなるという副次的な効果も期待できそうです。

まとめ

柏村さんのインタビューを読んで、とても納得し、感じるものがありました。というのも上司があれこれ指示すると指示待ちの姿勢になってしまうし、部下の自主性に任せていては目標の達成も難しいし、その加減をどうすれば良いのか悩むこともあったからです。

そして辿り辿って行くと、自分をよく知ることに繋がっているということ。自分が何のために働くのかってあまり考えることって無いですよね。

僕自身を振り返ってみると、仕事のやりがいや、楽しさ、誰かに貢献したいという思いもありつつ、家庭も自分の時間も大切にしたいってわがままばっかりなんです。でもそれってみんなわからないと思うので、自分の価値観を積極的に周りに話をして理解してもらうことも必要なんだろうと気付かされました。

マルナゲドンにならずに成果を出すチーム作り、是非とも参考にしたいですね。