Windows BridgeはWindowsストアの切り札となるか

Microsoftが地味ながらアプリマーケット市場の勢力図を塗り替える切り札となるWindows Bridgeというプロジェクトを始めています。今日はこのWindows Bridgeについてご紹介します。

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目次

Windowsストアの惨状

アプリマーケットといえばAppleのAppStore、GoogleのGooglePlayが有名です。アプリの本数もそれぞれ150万近くに達すると言われてます。魅力的な商品が沢山並んでいる市場に人が集まるように、アプリマーケットではアプリの本数が多ければ多いほど、そのマーケットを使う人が増え、そのマーケットにアクセス出来るOS、端末の人気が出るという好循環が回るようになります。

一方MicrosoftがWindows8と同時にスタートしたWindowsストアは未だに20万少々と言われています。さらにカオスなことにWindows Phone ストアというものも存在しており、こちらでも約40万本と言われ、2つのストアを足してもAppStoreやGooglePlayの半分にも満たないという惨状です。

app number

出展:silkstream blog

上記の図は約1年以上前の2014年7月のものなので若干今より少ないですが、勢力図的には大きく変わっておらず、2強の強さが際立っています。

Microsoftにとっては自社のWindowsOSを使ってもらう為にもアプリマーケットの見直しは喫緊の課題となっています。そこでまず最初に手がけたのがUniversal Windows Platform(UWP)です。UWPはあらゆるデバイス上でWindows10が動作し、一つのアプリで複数デバイスに対応できるようにするプラットフォームです。これを機会にWindowsストアとWindows Phoneストアを統合しました。

そしてテコ入れを図る2つの目の施策がWindows Bridgeです。

Windows Bridgeとは

iOSアプリはObjectiveC、AndroidはJavaというそれぞれ別の言語で開発されています。さらにWindowsアプリは.NETで開発します。それぞれ開発言語が違うため、同じアプリを作るにしても全く別のコードを書かなくてはなりません。開発者にとっては複数のマーケットごとにアプリを作るのが大変なので、まずは一番売れているiOSアプリを作り、次に利用者が多いAndroidアプリを作ってとなり、どうしてもマーケットに魅力が無いWindowsストアは後回しになってしまっていました。

windowsbridge

そんな状況を打破すべく、アプリ開発者の労力を軽減すべく考えられたのがWindows Bridgeです。Windows BridgeとはiOSアプリ、AndroidアプリをWindows上でも動作させる為のコード変換ツールのようなものです。Windows Bridgeを使えばちょっとした書き換えだけでiOS、AndroidアプリをWindowsアプリに作り変えることができます。もっとも現状はAndroid版のBridgeの方は進捗があるものの、iOS版のBridgeはまだまだ開発段階で実用的ではないレベルのようです。

Windows Bridgeがもたらす効果

Windows Bridgeが完成すると、開発者にとってはマーケットの垣根が無くなるため、必然的にWindowsストアのアプリ数も増えてきます。さらに利用者にとってはいつも使っているアプリがWindowsでも使えるとOSやデバイス移行のハードルがぐっと下がるので、Windows利用者も増えてくるのではと考えます。

iOSやAndroidで鍛えられた良質なアプリが簡単にWindowsに移植できるということで、他社の積み上げてきた資産を横からごっそり頂くというMicrosoftらしいえげつない戦略ですが、開発者にとっても利用者にとってもありがたいものなので、一気にWindowsストアのアプリ数、利用者数が増える可能性もあります。

以上のことからWindows Bridgeがアプリ市場にもたらすインパクトはかなり大きなものではないかと僕は考えています。